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開業が制限される用途地域について
都市計画法では、用途地域ごとに建築できる建物の種類や営業できる事業の内容が定められています。
ここでは、それぞれの用途地域について、開業が制限される主なものを中心に説明し、最後にどの用途地域でどの程度の営業が可能なのかをまとめます。
事業を始めるにあたって、事前に確認すべきことがたくさんある中で、用途地域については見落としがちですよね。
事業を始めることに意識が向いていると、後回しになってしまったり、そもそも必要だと気づかないまま進んでしまうこともあるかもしれません。
今回は、事業開始前に用途地域について確認することの重要性に気づいたので書きました。
事前に確認しておくことで、後になって「ここで事業ができない!」といった問題を防ぐことができます。
安心して事業をスタートできるように、しっかりと確認を進めていきましょう!
1.住居系の用途地域
1)第一種低層住居専用地域
- 目的: 低層住宅のための良好な住環境を守る。
- 建築制限: 低層住宅(2階建て以下)が中心。
- 開業制限: 原則として住宅以外の建築や営業は認められません。ただし、日常生活に必要な以下の様な施設は例外的に認められます。
- 小規模な店舗(日用品販売など)
- 理髪店、美容院
- 医院、診療所
- 幼稚園、保育所
2)第二種低層住居専用地域
- 目的: 低層住宅のための良好な住環境を守る。(第一種より少し規制が緩やか)
- 建築制限: 低層住宅(主に2階建て以下)が中心。
- 開業制限: 第一種低層住居専用地域とほぼ同様だが、以下の様な施設も認められます。
- 公共施設、公益的施設
- 小規模な飲食店(蕎麦屋、喫茶店など)
- 学習塾(住宅の静穏性を害さないもの)
3)第一種中高層住居専用地域
- 目的: 中高層住宅のための良好な住環境を守る。
- 建築制限: 中高層住宅が中心。
- 開業制限: 第一種低層住居専用地域とほぼ同様だが、規模が多少大きくなる。
- 店舗(日用品販売など)
- 飲食店(騒音や臭気の少ないもの)
- 事務所(住宅の静穏性を害さないもの)
4)第二種中高層住居専用地域
- 目的: 中高層住宅のための良好な住環境を守る。(第一種より少し規制が緩やか)
- 建築制限: 中高層住宅が中心。
- 開業制限: 第一種中高層住居専用地域とほぼ同様だが、さらに規模が多少大きくなる。
5)第一種住居地域
- 目的: 主として低層住宅のための住環境を守る。
- 建築制限: 低層住宅が中心だが、中高層住宅や店舗、事務所なども一部認められる。
- 開業制限: 第二種低層住居専用地域とほぼ同様だが、規模が大きくなり、営業できる種類も増える。
6)第二種住居地域
- 目的: 住宅と店舗などが混在する地域。
- 建築制限: 住宅、店舗、事務所などが混在可能。
- 開業制限: 第一種住居地域とほぼ同様だが、さらに規模が大きくなり、営業できる種類も増える。
2.どの用途地域でどの程度の営業が可能かまとめ
用途地域 | 営業のしやすさ | 営業可能な例 |
---|---|---|
第一種低層住居専用地域 | × | 住民の日常生活に必要なごく小規模な店舗、医院など |
第二種低層住居専用地域 | △ | 第一種低層住居専用地域で可能なものに加え、小規模な飲食店、学習塾など |
第一種中高層住居専用地域 | △ | 低層住居専用地域とほぼ同様だが、規模が多少大きくなる |
第二種中高層住居専用地域 | △ | 第一種中高層住居専用地域とほぼ同様だが、さらに規模が多少大きくなる |
第一種住居地域 | ○ | 第二種低層住居専用地域とほぼ同様だが、規模が大きくなり、営業できる種類も増える |
第二種住居地域 | ◎ | 第一種住居地域とほぼ同様だが、さらに規模が大きくなり、営業できる種類も増える |
- 第一種・第二種低層住居専用地域:
- 一般的に商業活動には厳しい制限がありますが、小規模で営業所としての機能を最低限に保つことで、自宅での営業が認められる場合もあります。ただし、地域の条例などで明確に制限されている場合があるため確認が必要です。
- 第一種・第二種中高層住居専用地域:
- これらの地域では、住民の生活に関連する業務が一定条件下で認められることがあります。具体的には、事務所としての利用範囲内であれば可能とされることもあります。
- 第一種・第二種住居地域:
- 住居に関係するサービス業務が幅広く認められるため、介護タクシーの営業所を自宅に構えることが比較的容易です。第二種住居地域では、さらなる業種の多様性が許容されていることが多いです。
3.まとめ・注意点
- 規模の制限: 建物内の営業所の床面積や利用する車両の駐車スペースなどに関しては、具体的な制限があることが多いです。
- 近隣への影響: 騒音や交通量の増加が近隣住民に影響を与えないように注意する必要があります。
- 自治体の確認: 法律や地域条例、都市計画により大きく条件が左右されるため、営業を始める前に必ず自治体の担当部署(通常は都市計画部や建築指導課)に確認することが重要です。
この用途地域の指定に基づき、具体的な営業計画は事前に自治体の都市計画担当部署や建築指導課に相談するのが望ましいです。地域によっては、特別な条例や条件が設定されている場合があります。
開業を検討される際には、必ず事前に該当する市町村の都市計画課などに確認することをお勧めします。
以上の点を考慮し、自宅での介護タクシーの営業を計画する際には、具体的な位置や条件を踏まえた上で、地元の行政機関に相談するのが最も確実とおもいます。頑張っていきましょう。