ポンジスキームって何だろう👀❓️
かというと、詐欺の一種で、投資家から集めた資金を実際の利益ではなく、新たに集めた資金を使って既存の投資家に配当として返す手法を指します。この方式は、絶えず新しい投資家を募ることで一時的には維持されますが、新規投資が滞ると破綻します。
1.何故ポンジスキームというのか?
ポンジスキーム(Ponzi Scheme)の名前の由来は、1920年代に実際に行われた詐欺に関連しています。この詐欺を行ったのは、イタリア移民のチャールズ・ポンジ(Charles Ponzi)という人物です。ポンジは1919年から1920年にかけてアメリカで「国際返信切手券」(IRC)を利用した投資スキームを考案しました。彼は、外国で安く購入したIRCをアメリカで高く売却することで利益を得ると主張し、高い利回りを約束して多くの投資家から資金を集めました。しかし実際には、ポンジのビジネスモデルは持続不可能であり、新たに集めた資金を既存の投資家への配当に回す、いわゆる「自転車操業」の状態でした。このようにして、ポンジは一定期間の間、投資家に高い利益を支払うことができましたが、新たな投資家からの資金が尽きるとスキームは破綻しました。
この一連の詐欺事件が広く知られるようになり、彼の手法は「ポンジスキーム」としてその後の同様の詐欺手法の代名詞となりました。このスキームは、その構造自体が詐欺の形態をとっているため、実際には価値ある投資事業が存在しないという点で他の合法的な投資とは一線を画しています。
- 以降、同様の詐欺的投資スキームを「ポンジスキーム」と呼ぶようになった
- 新規投資家の資金で既存投資家へ支払いを行う投資詐欺の代名詞となる
- チャールズ・ポンジ(1920年)
- イタリア移民のチャールズ・ポンジが行ったスキームで、国際返信切手券(IRC)を用いると主張し、高い利回りを保証して投資家から資金を集めた。
- 実際には、利益は新たな投資家からの資金で既存の投資家に配当していた。
- バーニー・マドフ(2008年)
- ウォール街の著名な投資家であったバーニー・マドフが、50年近くにわたり数百億ドル規模のポンジスキームを運営。
- 主に富裕層や機関投資家をターゲットに、安定した高利回りを約束。2008年の金融危機で資金返還要求が増え、スキームが破綻。
- アレン・スタンフォード(2009年)
- スタンフォード・インターナショナル銀行を通じて、アメリカとカリブの投資家から数十億ドルを集めるスキームを展開。
- CD(譲渡性預金)の高利回りを宣伝し、非常に高い投資利益を保証していた。
- ロバート・アレン・スタンフォード
- 彼の詐欺スキームは20年以上続き、持続不可能であることが明らかになった。
- バーミューダのオフショア投資詐欺(2003年)
- オフショア投資手段を悪用し、多くの個人投資家を標的にしたスキーム。
- 実体のないオフショアファンドを使用し、約10億ドルを騙し取った。
2.どういった手口?
- 高いリターンの約束: 実現不可能なほど高利回りを短期間で提供することを約束します。
- 安定した利益: 常に安定した利益を提供することで、投資がリスクのないものであると印象付けます。
- 成功者の証言: 他の投資家が成功していると見せかけることで、信頼性を高めます。
- 複雑性の利用: 投資商品の仕組みを複雑にし、理解を難しくすることで疑念を抱かせないようにします。
3.ポンジスキームに似た現代の詐欺や金融犯罪
ポンジスキームと同様に、これらの詐欺はしばしば高利回りを約束し、投資家を欺く手口を用います。
- ピラミッドスキーム
- ピラミッド型販売やMLM(マルチレベルマーケティング)を装った詐欺では、新メンバーの加入手数料で収益が成り立っており、持続的な商品販売が行われていない。
- 例:HerbalifeやVemmaなど、過去に規制当局の調査対象になった企業。
- 高頻度取引詐欺(2010年代)
- 高頻度取引(HFT)を利用すると称し、特に技術に詳しくない投資家をターゲットに高利回りを約束。しかし、実際には適切なシステムが存在せず、資金を流用された事例。
- 仮想通貨ICO詐欺(2017年-現在)
- 初期コインオファリング(ICO)を通じて、実体のないプロジェクトに対する投資を募り、出資した資金を持ち逃げするケース。
- 例:BitConnectは高利回りを保証する仮想通貨融資プラットフォームとして有名だったが、2018年に崩壊。
- フィッシュAI詐欺(フィクション)
- AI技術を用いた投資手法を強調し、AIトレーディングボットによる高利益を約束。
- 実際はAI機能がなく、もともとの投資額も返ってこない現象。
- グリーンスキーム(私募詐欺)
- 環境関連のプロジェクトを装い、持続可能なエネルギーや再生可能エネルギーに投資するとして資金を集めるが、プロジェクト自体が存在しないか、消滅している。
- 海外の未公開株詐欺
- 海外の未公開株に投資することで大きな利益を得られると謳い、投資家から資金を集め、その後突然消失するケース。
これらの事例は、ポンジスキームと類似の手法で詐欺を行い、投資家に大きな損害を与えました。特に、投資の仕組みが理解しづらい場合や過剰に高い利回りを保証する場合は注意が必要です。
4.どうすれば、手口に引っかからないのか具体的に説明
- リターンが高すぎるものに注意: 正当な投資であれば高リターンには常にリスクが伴います。リスクがない高利回りの話には疑念を持ちましょう。
- 透明性を求める: 投資プロセスや資金の流れの説明が曖昧または不明確な場合、その投資には慎重さが必要です。
- 第三者の意見を求める: 専門家や投資顧問に意見を聞き、信頼性を確かめることが重要です。
- 証券規制当局に確認: 投資会社や商品が適切に登録され、規制の下にあるかどうかを確認することも必要です。
5.ポンジスキーム以外にも詐欺に引っかからないようにするための具体的な方法を以下に挙げます。
- 情報収集を徹底する: 投資や金融商品について、インターネットや書籍などあらゆる手段で情報を集め、理解を深める。
- オファーが魅力的すぎる場合は警戒する: 高リターンやリスクゼロを謳うオファーはまず疑い、慎重に調査する。
- 信頼できる情報源を確認: 公式のウェブサイトや政府機関の情報など、信頼性のあるソースを確認する。
- 専門家に相談する: 投資顧問やファイナンシャルプランナーなどの専門家に意見を求め、第三者の視点を得る。
- 個人情報を慎重に管理する: 怪しい問い合わせや要求には答えず、個人情報や銀行情報を簡単に提供しない。
- 感情に流されない: 急いで決断を迫られる状況でも、冷静に判断するための時間を確保する。
- 登録・認可状況を確認する: 投資会社や商品が金融庁や証券取引所で登録され、適切に認可されているかを確認する。
- 経験者や評判を調べる: 投資プラットフォームや会社の評判をインターネットのレビューや評判サイトで調べる。
- 噂や勧誘に慎重になる: 知人や友人からの紹介でも、疑問を持ち、自分自身で調査する。
- 警戒心を持ち続ける: 常に「こんなうまい話があるのか?」と疑問を持ち、警戒を怠らない。
これらのポイントを意識しながら行動することで、詐欺に引っかかるリスクを減少させることができます。