夏に注意すべき健康リスクと看護師が実践している対策
なすどん「たくどん、今日はどんちゃんが訪問看護の現場でいつも患者さんやご家族に伝えている、夏の体調管理の話をしようと思います」
たくどん「へえ、夏っていうと熱中症の話ばっかり聞くけど、それだけじゃないのか」
なすどん「そうなんです。熱中症以外にも気をつけたいことがいくつもあるんですよ。さっそく見ていきましょう」
この記事の内容
・夏に潜む4つの健康リスク
・感染症・食中毒を防ぐには
・皮膚トラブルを防ぐには
・隠れ脱水を防ぐには
・看護師が実践しているこまめな水分補給
・看護師が実践している睡眠と食事の管理
・看護師が実践している衛生と室温の調整
・まとめ
夏に潜む4つの健康リスク
訪問看護の仕事をしていると、夏になるたびに気をつけてほしいとお伝えしていることがあります。「気温が高いから熱中症にだけ注意すればいい」と思われがちですが、実際にはそれ以外にも見逃しやすいリスクがいくつもあります。代表的なものが、感染症、食中毒、皮膚トラブル、そして自覚のないまま進行する「隠れ脱水」の4つです。それぞれ原因も対策も少しずつ違うので、順番に見ていきます。
感染症・食中毒を防ぐには
夏は気温と湿度が高くなることで、ウイルスや細菌が活発になりやすい季節です。訪問先でも、手洗いや換気を徹底しているご家庭とそうでないご家庭とでは、体調を崩す頻度に差が出ているように感じます。基本の対策として意識してほしいのは次の3つです。
・外出後やトイレの後、食事の前には石けんでしっかり手を洗う
・タオルや食器は家族間でも共用しない
・食べ物は中心までしっかり加熱し、調理後はできるだけ早く食べきる
特に生ものは傷みやすいので、保存方法にも注意が必要です。詳しい対策は厚生労働省の感染症対策ガイドでも紹介されているので、あわせて確認しておくと安心です。
皮膚トラブルを防ぐには
汗をかく季節は、あせもやかぶれといった皮膚トラブルも増えます。訪問先でも、背中やひじの内側などが赤くなっているケースを見かけることがあります。汗をかいたらそのままにせず、やわらかいタオルで押さえるように拭き取り、こまめにシャワーを浴びて肌を清潔に保つことを心がけたいところです。吸湿性・速乾性のある服を選ぶのも効果的です。
また、夏は紫外線や冷房による乾燥で肌がダメージを受けやすい時期でもあります。洗顔や入浴のあとは化粧水と乳液でしっかり保湿し、外出時は日焼け止めや日傘、帽子で紫外線を防ぐようにしています。
隠れ脱水を防ぐには
「喉が渇いていないから大丈夫」と思っていても、体の中では知らないうちに水分や塩分が失われていることがあります。これがいわゆる「隠れ脱水」で、特に高齢の方は喉の渇きを感じにくい傾向があるため注意が必要です。喉が渇く前に時間を決めてこまめに水分を摂ること、汗を多くかいたときは水分だけでなく塩分(電解質)もあわせて補給することが基本です。1日3食をきちんと食べることも、食事から水分やミネラルを摂る意味で大切にしています。
看護師が実践しているこまめな水分補給
私自身も現場に出ている間はこまめな水分補給を意識しています。一度にたくさん飲んでも体にとどまらず外に出てしまいやすいので、コップ1杯(150〜200ml程度)を目安に、1日に何度かに分けて飲むようにしています。
・起床時:寝ている間に失った水分を補うため、起きてすぐ1杯
・食事のとき:毎回の食事と一緒に少しずつ
・入浴の前後:汗をかくぶんをしっかり補う
・1時間半〜2時間おき:時間を決めて忘れずに
水筒やペットボトルを常に手元に置いておく、冷たすぎない常温の水や麦茶を選ぶといった工夫も、続けやすさにつながっています。
看護師が実践している睡眠と食事の管理
夏バテを防ぐには、睡眠と食事のリズムを整えることも欠かせません。私は毎日できるだけ同じ時間に起きて朝日を浴び、体内時計を整えるようにしています。睡眠時間は最低でも6時間は確保したいところです。食事は3食を決まった時間に食べ、就寝の3時間前までに済ませることを意識しています。夕方以降のカフェインは控えめにし、寝つきや睡眠の質を落とさないようにしています。
看護師が実践している衛生と室温の調整
最後に、室内環境の管理も夏の体調管理には欠かせません。目安として、室温は28℃以下、湿度は70%以下を保つようにしています(エアコンの設定温度ではなく、実際の室温です)。サーキュレーターや扇風機で空気を循環させ、部屋の温度ムラをなくすこと、遮光・遮熱カーテンで外からの熱を防ぐことも効果的です。閉め切ったままにせず、室温を維持できる範囲でこまめに窓を開けて空気を入れ替えることも忘れないようにしています。
まとめ
夏は熱中症だけでなく、感染症、食中毒、皮膚トラブル、隠れ脱水など、見逃しやすい健康リスクがいくつも重なる季節です。どれも特別なことではなく、こまめな水分補給、規則正しい睡眠と食事、衛生的な生活環境という日々の積み重ねで防げるものばかりです。訪問看護の現場で感じていることを、少しでも皆さんの毎日の体調管理のヒントにしていただけたら嬉しいです。次回もまた、現場で感じたことを紹介できればと思います。
